和菓子がおいしい地域といえば、長い歴史を誇る古都、京都ではないでしょうか。茶の湯文化が発達しているので和菓子文化も花開き、大きく発展してきました。京都の町には戦国時代や、江戸時代創業の名店が点在しています。地元の人々から長年愛され続けてきた、京都の老舗和菓子店を出かける前に確認しておくことをおすすめします。
川端道喜
京都の北山にある、1503年創業の戦国時代から続く菓子店。織田信長もまだ生まれていない室町時代、財政難に苦しむ朝廷にお菓子を献上していた由緒あるお店です。
こちらで販売されている「御粽司(おんちまきつかさ)」は、京都ではとても有名な和菓子で、創業当時からの味が守られています。笹の葉でくるまれたちまきは、白い「水仙粽」と餡を使った「羊羹ちまき」の2つの種類があり、どちらも洗練の極みともいうべき味わい。ただ、こちらのお店は予約制となっているので、購入前に事前予約が必要です。
末富
五条烏丸にある末富は、1893年の創業。以来、京の茶人たちが愛好してきました。季節ごとの生菓子が特に有名で、お正月に食べる「花びら餅」、豆まきにちなんだ2月のお菓子「福枡」……というように、各月の代表的な風習や植物などにちなんだ生菓子が販売されており、いずれも芸術品のようです。
生菓子以外にも、お煎餅や飴、懐中ぜんざいなどの定番商品も人気。こちらは日持ちがするのでウェブサイトのオンラインショップから購入できます。
鍵善良房
江戸時代の創業。祇園の一角にお店を構えており、舞妓さんを始め地元の人々や、祇園を訪れる人々から愛されてきました。
特に「くずきり」が有名で、これを食べるために遠くから足を運ぶお客さんで毎日お店が賑わっています。注文を受けてからその場で作られるくずきりは、透明感が涼しげでとても美しい和菓子です。添えられている黒蜜は、沖縄の波照間島産の黒糖が使用されています。濃厚でまろやかな味わいですが、後味がさっぱりしており、いくらでも食べられます。