どら焼きと三笠は似て非なるもの?
和菓子店などに行くと「どら焼き」と「三笠(三笠焼、三笠山)」というネーミングの和菓子を見ることがありますが、どちらも同じものではないか?という指摘を受けることがあります。
実は、どら焼きと三笠の違いに関して諸説入り乱れていますが、ルーツはひとつであることがわかりました。
どら焼きも三笠もルーツは梅花亭
どら焼きは、もともとは正方形だった言われています。薄く焼いた皮で餡を包むようないでたちで、今のようなふっくらとした形ではなく、せんべいのような皮2枚で餡を挟んでいたとされています。
日本橋の和菓子店梅花亭では正方形スタイルの和菓子で販売していましたが、御座船につけられていた銅鑼の中心部のモチーフにヒントを得て、今のような丸い形になったとされています。これがどら焼きのルーツです。
三笠は形が似ていることから奈良県の三笠山からきているといわれています。梅花亭で作られたどら焼きは、片面のみ焼き色を付けて、焼き色をつけない面に餡を挟んでいたそうです、それが「生焼け」であると指摘を受けたとされています。イメージ一新のため、両面焼きにした商品に「三笠山」と商品名をつけて売り出したというのが本筋のようです。
西の「三笠山」東の「どら焼き」
東京で三笠山が販売されるようになってから、関西方面ではどら焼きを「三笠」として販売するお店が増えたとされています。
皮の厚みでどら焼きか三笠かを区別する声や、餡を挟んだことが見えるように作られているのがどら焼きで、挟んだ餡が隠れるように皮のふちがすべてつくように作られているのが三笠という声もありますが、真偽のほどは定かではありません。現在では、ネーミングの違いだけで中身は同じだととらえるのが一般的です。
今では、和菓子店それぞれが差別化のために特徴を打ち出しています。こういったことからも「三笠かどら焼きか」を区別するのはほぼ無意味であるといえるでしょう。