和菓子とお茶には古くから切っても切れない縁があり、今ではセットで考えられていることがほとんどです。しかし、いつからお茶には和菓子がつくようになったのか知らないものですよね。
千利休は和菓子を使わなかった?
茶道と聞くと、桃山時代に活躍した「千利休」を思い浮かべる人が多いと思いますが、実は千利休の時代に現在のような砂糖を多く使用した甘いお菓子はありませんでした。当時は栗や柿、果物などがお菓子として考えられ、時には椎茸や昆布なども使用されたと言われています。
庶民が和菓子を楽しめるようになったのは江戸時代中期から
現代のような甘いお菓子が茶道で使用されるようになったのは室町時代からになりますが、当時は高価なものとされ、庶民が食べられるものではありませんでした。庶民がお茶と和菓子を共に楽しめるようになったのは江戸時代の中期と言われており、それは砂糖の生産量が増えたからです。まんじゅうや羊羹が主流になり、和菓子の老舗と呼ばれるお店ができたのもこの時代がほとんどになります。
茶道で出される和菓子
茶道で出される和菓子には大きく分けて「主菓子」と「干菓子」があり、主菓子は濃茶の前、干菓子は薄茶と合わせて提供されます。主菓子には餡子を使用した上生菓子などの日持ちしないものが多く、干菓子には落雁や煎餅などの日持ちがするお菓子がほとんどです。とは言え、最近では多くの人が集まって薄茶だけを楽しむこともあり、その際は主菓子を頂きます。茶道の世界でも時代と共に移り変わりがあるため、昔ながらのやり方を堅苦しいと感じる必要はありません。
日常生活の中で和菓子を楽しもう
店舗に足を運んで和菓子を購入するのはハードルが高いと考えている人もいるかもしれませんが、最近では多くの和菓子屋で取り寄せやネット注文をすることができ、簡単にお茶と合わせて楽しむことができます。茶道と聞くと少し敷居が高いイメージがあるかもしれませんが、急須で丁寧にお茶を入れ、合わせて和菓子を頂くだけでも十分堪能することが可能です。ぜひ自宅で楽しむ際も、今回学んだように、主菓子と干菓子を準備してみてはいかがでしょうか。