お茶会で抹茶と和菓子がセットで出される秘密
日本でいうところのお茶会とは、亭主が点前で点てた抹茶を客人に勧めることを指しています。亭主が抹茶をサービスする前に、客人はお茶菓子として出された和菓子を一口食べることが一般的です。
これは「茶道の作法」と機械的にとらえることが多いのですが、抹茶を飲む前に和菓子を食べることはとても理にかなっています。
お茶会の主役は、抹茶であり、抹茶を飲むための茶碗だとも言えます。和菓子はあくまでもサブの存在で、抹茶の香りや味の引き立て役に徹します。抹茶は、蒸して乾燥させた茶葉を石うすで挽いたものです。少量のお湯で溶くことで、茶葉自体の渋みやうまみがダイレクトに感じられます。人によっては「ただ苦いだけ」と感じることもあるでしょう。
和菓子を一口だけ先に食べてから、抹茶を飲むことで、口の中に残った甘みが抹茶の味を引き立ててくれます。
お茶席での和菓子パワー
味の引き立て役として和菓子が存在しているわけではありません。お茶会で出されることが多い、抹茶や玉露はカフェインの含有量が気になるところです。抹茶はコーヒー1杯と変わらないとされていますが、1回に提供される量は少ないため、少量でもコーヒー1杯分の量と同等のカフェインを摂取することになります。玉露はコーヒー2杯分強のカフェイン含有量です。少量のお茶の中にこれだけ強いカフェインが含まれていると、体への負担が気になるところです。
空腹のままで抹茶や玉露を飲むと体調不良を引き起こしてしまうことも考えられます。このような理由からお茶席では胃に負担をかけることのないよう、和菓子を一口勧めるのです。特に練り切り和菓子は、白あんや小豆あん、寒天などが胃の中でとどまってくれるので、カフェインの作用を和らげてくれます。
和菓子の風景も楽しんでから
ただ、甘味を食べて胃を守る、抹茶の苦みを和らげるだけの和菓子ではありません。亭主がその季節を感じさせるものや、茶器とのコーディネイトも考えて選んでいる和菓子が中心です。まずは、和菓子を目で楽しんでください。